夏の日の猫とバルコニーの話

できれば世界で一番おいしい朝食を出すお店「ビルズ」のイメージで…

そう思ってウッドとキャンパス地のオシャレなチェアを2脚買いました。

我が家の2階のバルコニーはラッキーなことに完全に南向きです。

素敵な陽射しが楽しめるはずでした。

実際、春までは、、、猫を膝に乗せてビール飲みながら優雅な時を過ごせました。

しかし初夏になると、実は灼熱のバルコニーとなり始めました。

「せっかくオシャレなチェアを買ったのだから、やっぱりパラソルでしょう!」そう考えて大きなのを買いました。

もうほぼ店舗みたいなバルコニーです。

しばらくは見た目いい感じでした。

投資があるので自分を納得させるようにそう思い込んでいたのかもしれません。

我が家のマンチカンだけがチェアに座って我が物もの顔で寝ていました。

ある日大きな台風が通過しました。

バルコニーの家具を雨どいに縛り付けて備えました。

その日交通網の乱れでやっと家に帰り雨戸をあけました。

ふっ、とみると雨どいもパラソルもありませんでした。

翌日確認すると1脚だけ椅子が残っていましたが、他は全てどこかに吹っ飛んでいました。

「ビルズ」のバルコニーをあきらめたその日から、オシャレなチェアの主は家の気まぐれ猫の住いとなりました。

たぶん、、、なぜなら私はもう確認するのも嫌なので、、、

それは暑い夏の日の事でした。